【犬】変形性関節症の新治療薬

■ワンちゃんの「変形性関節症」ご存知ですか?

骨と骨の間でクッションの役割をしている軟骨に、過度の負担がかかることで次第に関節が変性し、慢性的な痛みや動作に困難が生じる関節疾患の1つです。

変形性関節症は慢性疼痛の中で最も患者数の多い疾患の1つであり、その有病率はワンちゃんで40%近くあると報告されています。

また、加齢・肥満・外傷・犬種など様々な要因が関与し、高齢犬・大型犬だけでなく、若い犬や小型犬でも発症する可能性があります。

 

■痛みのサインを見逃さないで!

変形性関節症は兆候がわかりにくく、飼い主様が気付かないことも多い疾患です。しかし、変形性関節症は進行性の疾患なので、症状が悪化し、歩行が困難になる前に、早期に気付いてあげることがとても大切です。

日頃からよく観察して、小さな変化に気付いてあげましょう。

 

<こんな症状に注意!>

・散歩に行きたがらない

・走らなくなった

・ジャンプしたり高いところに上がろうとしたりしない

・階段の上り下りをしなくなった

・立ち上がりがつらそう、ゆっくり

・足をかばうように歩く

など

 

上記の様子を動画で撮影していただいていると、診断時に非常に役立ちます。

 

 

■変形性関節症になってしまったら

 

変形性関節症の治療として

 ①鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症剤:NSAIDs)

 ②関節サプリメント(例:軟骨保護が目的のもの、抗炎症作用が目的のものetc)

 ③体重管理(肥満なら減量)

などが行われます。

 

場合によって、

 ④外科治療

 ⑤ヒアルロン酸の関節内投与

なども実施されます。

 

新しい治療薬として、「変形性関節症の痛みの原因物質NGFを狙い撃ちする抗体医薬=リブレラ」が新登場しました。

 

<「リブレラ」の特徴>

・有効性:1回の注射で1カ月間、疼痛を緩和

・安全性:副作用リスクが低い

 

当院では多くの整形外科疾患の子たちが来院されますが、実際にこの新薬を使って、痛みの緩和を実現できている症例が多数います。

「外科手術までは…」という場合の新たな選択肢として、大変有効な薬です。

 

※猫ちゃんの変形性関節症の治療薬「ソレンシア」も新しく出ています。猫ちゃんの飼主様からも、愛猫が痛がらなくなったと、嬉しいお言葉を多数いただいています。こちらは、また別の記事でご紹介します。

 

 

■変形性関節症チェックキャンペーン

「変形性関節症にいち早く気付いて、わんちゃんを痛みから解放したい!」という思いから、秋の健康診断を受診してくれた子全員に、整形外科のプロフェッショナルである院長による「整形外科の触診検査」を無料で実施中です。

10月~11月末までのキャンペーンですので、この機会に是非ご来院ください。

 

また、メーカーさんご協力の下、秋の健康診断を受診してくれた子、先着50頭に「グルコサミンちゅ~る」をプレゼント!

N-アセチルグルコサミン配合で、関節の健康に配慮したちゅ~るです。