肩関節/肘関節脱臼

症例 パピヨン、9ヶ月齢、オス、2.7kg
自転車の車輪に巻き込まれ、右肘の開放性脱臼および橈尺骨近位骨折
緊急で受診した病院で、洗浄と皮膚縫合をしてもらったが、『肘の構造が崩壊しており、断脚するしかないだろう』と言われ、主治医から当院を紹介された。
4日間の抗生剤投与・創傷処置の後、当院で手術。
肘周辺の側副靭帯・輪状靭帯・肘頭靭帯などは全て切れており、改めて徹底洗浄した上で橈骨のプレート固定を完了。
肘関節脱臼が整復できることを確認のうえ、次に肘頭の内外側から尺骨内に2本のキリシュナーピンを挿入。尺骨に開けた穴を通して8の字テンションバンドワイヤーをかけた。
さらに尺骨近位および上腕骨内外側上顆にエイミングデバイスを架けてドリルホールを作成し、靭帯の代わりをするショックリーダーを締結。
主治医さんで術後管理をしていただき、1ヵ月後には走り回っているとの報告。術後2ヵ月にはインプラント全てを除去し、可動域はやや狭いものの、良好に治癒。