大腿骨骨折

犬、猫共に、ほとんどが交通事故によるものです。
大腿部は筋肉が多く、人間の細長い足と異なり、内側はおなかと接触していくため、
可能な限り、プレートスクリューによる固定が望ましいと思います。
ただし、粉砕骨折の激しいものでは、創外固定法(IMピンとのタイインなど)、インターロッキングネイルなども用います。
症例1 右大腿骨粉砕骨折

雑種犬、2歳6ヶ月齢、オス、11kg、夜中に一人で散歩して、交通事故にあったと思われる。
主治医から、郊外のワンちゃんなので徹底した術後管理も厳しい事が予想され、内固定手術を依頼される。 膀胱尿道造影等で全身状態を把握した後、翌日手術を行った。
遠位骨幹部には、斜骨折に続く複数の縦割れが4-5cm続いており、ラグスクリューを射とうにも裏側に安定した皮質骨が無く、まずはワイヤーにより遠位骨片をまとめた後、近位まで10穴の中和プレートと2.7mmスクリューを装着。粉砕骨折部分のホールから2.0mmスクリューをラグスクリューとして射つこともでき、より安定化した。それでもまだ拾いきれない骨片はPDSで引き寄せてまとめた。
遠くからの紹介なので、経過をしっかり追えていないが、術後3ヵ月の電話では、元気に走り回っていることを確認済み。