脛腓骨骨折
犬では主に交通事故、高所からの落下、闘争による咬傷などが多いです。
猫は、通常の高さからの落下くらいでは骨折することはまず無いですが、交通事故や重いドアに挟むなどで折ってしまうことがあります。
症例1
4.5kgの猫。左脛骨を粉砕骨折しており、尖った骨が皮膚を突き破りかけていたので、即日オペを行いました。ラグスクリューにより骨片をまとめた上で、創外固定を実施しました。
強固な固定力のMaximal Type?でまとめあげましたが、経過を見ながらMinimal Type?→Type?→さらにピンの数を減らし、3ヶ月ほどでラグスクリューを除く全除去を行い、とても良好です。 (創外ピンの除去はすべて無麻酔で実施、飼主様が麻酔を拒まれたので、ラグスクリューは除去できず)
症例2
5.5kgの猫の脛骨ラセン骨折です。骨折翌日の当院でのレントゲン写真では、鎮静下で牽引しているのであまり変位が無いように見えますが、実際には変位激しく開放しかけており、猫の激しい性格上、外固定管理も不可能。早急にプレートスクリューによる内固定を行いました。
ラセン骨折部分は、ラグスクリューと0.7mmキリシュナーピンの圧着フックでまとめ、プレートを通したスクリューもラグスクリューとして挿入し、骨に圧迫が加えてあります。 ピン・ラグスクリュー、骨折ラインに重なる部分以外は極力スクリューを射ちました。
完璧な整復を行うと、痛みも消えて、翌日には起立歩行可能となりました。
症例3
体重13kg、雑種犬。 猪狩りに出したら、山の中でイノシシに踏み折られたとのことで、真冬にもかかわらず、マダニをたくさんつけて来院。激しい気性の犬なので、入院はさせれないということで、即日オペをして連れて帰られました。骨折部遠位には亀裂がありましたので、一つだけエンプティースクリューホールができてしまいましたが、頑強に組み立てました。抜糸は自宅でされ、3週間後には山を走り回っている!?とお聞きしました・・・