腸骨体骨折

当院で紹介を受ける症例は、腸骨体単独の骨折ではなく、仙腸関節脱臼・骨折を伴っているものが多い。

症例 マルチーズ、1歳、メス、2.0kg、しつけでお尻を叩いたら悲鳴をあげて動かなくなった。
京都の主治医に、当院を紹介された。両側とも寛骨臼の7-8mm近位の腸骨体骨折両側の腸骨体骨折・仙腸関節脱臼と診断。坐骨・恥骨は骨折していない。
寛骨臼に近いので、尾側に2穴スクリューが射てる様にT字プレートを用い、両側の尾側にプレートがついた段階で、大きなワンポイント鉗子で仙骨腸骨翼を固定して骨盤の形状を確保した状態で、仙骨にキリシュナーピンを射ち、仙骨部のスクリューは、腹側に向けてラグスクリューとして挿入。
2kgのマルチーズの腸骨体は華奢で、仙骨へのスクリュー挿入も予定してプレートの装着位置を決定するには慎重な計画が必要だった。
術後2日目には起立歩行し始め、抜糸時には走り回れるほどの回復振りで、飼主にも喜んでいただいた。