上下顎骨骨折

事故(交通事故・ゴルフスウィング練習であたったなど・・・)や咬傷が、おもな原因です。

症例 雑種犬、8歳、メス、
原因不明だが、気付いたら、顔面が腫れ、下顎が落ちて、口が閉じず、咽頭部も腫れているようで、呼吸困難状態。全身コンディションも悪く、主治医では手術不可能とのことで当院に紹介。
レントゲン検査などにより、左下顎骨粉砕骨折および右上顎~頬骨の骨折と診断。
麻酔導入後、まずは歯石除去処置を徹底的に行いAP水などで口腔内を徹底洗浄。ヨードグリセリンによる消毒。
手術はまず左下顎骨のプレートスクリュー固定から行った。粉砕部分2穴はとばす形になったが、歯根を避け、頭側・尾側ともに3本ずつスクリューを射った。
次に上顎から頬骨の骨折の整復にかかる。外側に剥離するように骨折しており、歯根も大きく多い部位なので、プレート装着は不可能と判断。
第4前臼歯の歯根と第1後臼歯にワイヤーをかけると、強固に固定できた。
術後は、フィーディングチューブなどで、栄養管理を行い、5日目には喉の腫れも引いて、自力で飲水・食餌が摂れるようになった。