整形外科(膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂編)

こんなお悩みありませんか?

・びっこを引いて歩いている
・痛そうに足を挙げていることが多い
・歩行中にスキップのように変な動きをする(犬はスキップして遊びません)
・お腹に近い膝の関節部で膝蓋骨=パテラ(俗称:膝のお皿)が外れたり戻ったりしているコクコクした感触がある
・高いところから飛び降りた後に動きがおかしい
・いつもと違う歩き方をしている
・後脚が内側に入り、引きずるような動きをする

エルム動物病院の整形外科について

図4

当院では、骨折や脱臼など、骨や関節に関するさまざまな症状の診断と治療をおこなっています。特に、膝蓋骨や股関節の脱臼手術、前十字靭帯断裂の治療(世界スタンダードのTPLOにも対応)をはじめとした手術に力を入れています。
滋賀県内のみならず、京都府や福井県の、多くの動物病院からご紹介・手術依頼をいただき、これまで多数の手術実績を積み重ねてまいりました。
トイプードル・チワワ・ヨークシャテリア・ポメラニアン・マルチーズ・ミニチュアピンシェルなどの小型犬や、
中型犬では柴犬・ボストンテリヤ・キャバリアなどに、膝蓋骨内方脱臼が多く見られる傾向があり、早期に専門の獣医師の診察を受けることが大切です。
整形外科を行わない・経験不足の獣医師に、サプリメントなどで様子を見るように言われて放置して、重度の関節炎や前十字靭帯断裂に波及するなど、重症化することも多い病気です。
特に成長期は急速に変化して、取り返しのつかないほどの骨変形まで進行して手遅れになることもある為、様子見をせず、整形外科の知識・経験の多い獣医師に早めに相談することが大切です。
愛犬がびっこを引いていたり、動きに違和感が見られたりする場合は、ぜひ草津市・大津市のエルム動物病院へ早めに一度ご相談ください。

膝蓋骨脱臼(パテラ脱臼)について

◆膝蓋骨脱臼とは?

膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から内側や外側に外れる状態を「膝蓋骨脱臼」といいます。特に内側に外れる「内方脱臼」が多く見られ、外側に外れる「外方脱臼」や内外両方向に外れるケースもあります。特に小型犬では、成長期から発症する可能性が高く、生涯を通じて問題をかかえることになる場合も少なくありません。

 

グレード1 普段は正常位置に収まっているが、外力で一時的に脱臼するがすぐに元の位置に戻る。
グレード2 頻繁に脱臼を繰り返すが、基本元の位置に戻る。脱臼しても痛くなくなる時期で、油断しやすい段階
グレード3 常に脱臼しているが、手で押すと一時的に戻すことができる。関節炎が日々進行していく
グレード4 完全に脱臼しており、戻すことができない末期状態。前十字靭帯に断裂に波及することも

◆膝蓋骨脱臼がよく見られる犬種

小型犬ではトイプードル、ポメラニアン、チワワ、ヨークシャーテリア、マルチーズ、ミニチュアピンシェルなどのトイ犬種、
中型犬では柴犬・ボストンテリア・キャバリアなど、
大型犬ではフラットコーテッドレトリバー、ゴールデンレトリバーなどに多いが、
全犬種で発症の可能性があるため注意が必要。

図5
先天性 成長期に骨や筋肉、靭帯の形成異常により幼少時より発症。早期の対応・手術で解除できることもあるが、多くは様子を見ているうちに重度の骨変形を伴い手遅れになることが多い。
習慣性・後天性 日々の運動・膝への負荷から発症・進行することが一番多い。まれに高所からの転落などの外傷で生じることもある

前十字靭帯断裂について

◆前十字靭帯断裂とは?

前十字靭帯は膝関節を安定させる重要な靭帯で、内旋や前後へのずれを防ぎます。この靭帯が部分的または完全に断裂する状態を指します。膝蓋骨脱臼の次に、後肢を挙げたり引きずる原因として多く見られ、膝の安定性を失い、半月板損傷や関節炎、結果として慢性の変形性関節症に進行することがあります。

 

◆前十字靭帯断裂がよく見られる犬種

ハスキー、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ニューファンドランドなどの大型犬。
柴犬、コーギー、ボーダーコリーなどの中型犬。
トイプードル、チワワ、ヨークシャテリア、ポメラニアンなど小型犬も発症のリスクがあります。

図6

◆前十字靭帯断裂の症状

・足を引きずったり、挙げて地面につけない、体重がかけられない
・膝が腫れて、痛みを感じているように見える
・膝からこくんこくんとズレる感覚が伝わってくる

 

ペットがいつまでも健やかに過ごせるように、当院では内科・外科の総合診療をおこなっています。

膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂の治療法について

膝蓋骨脱臼

◆保存療法

鎮痛剤、サプリメント、体重を減らす、運動制限、生活環境の改善などがあるが、これで治るわけではない

◆手術療法

TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術),
脛骨粗面前進化術(Tibial Tuberosity Advancement)、関節外制動術(LSS)などがあります。
当院では世界的スタンダードのTPLOを主軸にしていますが、費用の問題などがある場合、術後の効果がTPLOに比べると低いことを了承のうえで、LSSも行っています。

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前十字靭帯断裂

◆保存療法

・運動制限
・体重制限
・鎮痛剤
・関節サプリメント(部分断裂の場合)

TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術) 脛骨高平面を水平に近く回転固定して膝を安定させる手術方法で、きちんと手術されれば、95%ほど効果的とされる術式です。術後の機能回復回復も早く、効果も感じやすい。
LSS(関節外制動術) 人工靭帯を使用し、膝の安定性を高める方法。昔はこの方法しか無く、当院もたくさん行ってきましたが、人工の糸に頼るため、動物の術後の運動によって伸ばされたり切れたりすることもあり、治療効果は60%代となります。

膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂の予防と術後管理

◆予防

・肥満を防ぐことで関節への負担を軽減
・滑りやすい床には滑り止めカーペットを敷く
・ジャンプ、強いキック、ステップなどの膝に強い負担をかける運動を避ける

◆術後管理

・安静を保ち、運動を控えましょう
・早期は、痛み止め・理学療法・サプリメントなどで、QOLを保ちます。
・定期的にレントゲンで経過を確認し、段階的に運動制限を解除していきます。
・異常があれば早めに獣医師に相談しましょう。

膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂は、早期の発見と適切な治療が重要です

 

草津市・大津市のエルム動物病院では、豊富な経験と最新の設備を活かしてペットの健康回復をサポートしています。また、滋賀県内の多くの動物病院からご紹介をいただき、日々多数の手術実績を積み重ねております。
特殊器材・知識・技術研修が必要なため、普通の動物病院では行わない整形外科だけでも、2024年末には1900件を超える実績に達しました。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

 

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